喫茶店

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フオークグループ「ガロ」の「学生街の喫茶店」がヒットした。１９７２年頃
学生街には喫茶店がひしめいていた。一間の下宿で生活していた学生にとって喫茶店は書斎であり、仮眠室であり、さらにはデートの待ち合わせ場所、友達とダベる場としても、なくてはならない存在だった。
喫茶店は学生街の他にも広がり，主婦が世間話をしたり、サラリーマンが会社を離れて一息いれたりする場ともなっていた。「お茶飲みませんか」という言葉は、やがて「お茶しない？」というナンパの定番用語となる。この時のコーヒー一杯が１５０円
米の値上げ額を「月にコーヒー一杯分」と表現した記事が新聞に掲載された。コーヒーの値段が基準になるほど、喫茶店で飲むコーヒーが人々の生活に普及した。
日本初の喫茶店は東京・下谷の「可否茶館」（コーヒーさかん）今から１２０年前の１８８８年（明治２１）年．ちょうど１００年前の１９０８年にはブラジルへの「コーヒー移民」が始まった。
喫茶店はその後、急速に日本社会に根付く。
酒と女性を主体とするカヘエとの違いから「純喫茶」の名が生まれクラシック音楽を聴かせる「名曲喫茶」が繁盛した。戦後の５５年ごろには「歌声喫茶」が栄え6５年には「ジャズ喫茶」が全盛となる。
さらには「テレビ喫茶」「電話喫茶」などが生まれた。喫茶店は７０年代に増え続ける。
この頃までの喫茶店は、ゆったりとしたスペースでおしゃべりを楽しむ談話型が主流だった。
おしぼりやお代わり自由といった手厚いサービスも当たり前だった。
その後、個人が短時間の憩いを求めるセルフサービスのスタンド形式に移る。
８０年に「ドトール」１号店が東京・原宿に開店し９５年にはインターネットカフエが登場。９６年には「スターバックス」１号店が銀座に出来た。これらのチｴｰﾝ店は談話型の店から客を奪う形で増加する
今や最盛期の半数しかない喫茶店だが、復活の兆しが見える。
喫茶店で青春を過ごした「団塊の世代」が定年となり、家の外に新たな居場所を求めるようになったため。
全国各地で「歌声喫茶」が復活している。合唱団が喫茶店を訪れ客と一緒にリクエスト曲を歌ったり、アコーデオンを抱えた男性が喫茶店を回ったりしている。