アフリカと日本

日本とアフリカとの交流は、本能寺の変で勇ましく闘い散った織田信長の黒人従者「彌介」に遡ります。当時の日本人は素朴な好奇心で「アフリカ」を見ていたようですが、その後欧州からの間接的な情報を通してアフリカに触れるようになると、次第に欧州の影響の色濃いアフリカ観が形成されます。明治維新後、欧米列強に伍して近代化を遂げた日本はアフリカの関心を引き、ほとんどの地域が植民地化されたアフリカ大陸において、3000年近くの歴史を有し、独立を保っていたエチオピアの皇族と黒田子爵令嬢との婚約が日本中を沸かせたこともありました。

現在、日本から約1万キロメートル以上の遠方にあるアフリカは、日本人にとってなかなか親しみを持ちにくいかもしれませんが、実はわたしたちの日常生活の中にも「アフリカ」をたくさん見つけることができます。
　例えば、日本人の食卓になじみの深い、たこ（83％）、バニラ豆（82％）、カカオ豆（63％）といった食料品の大半はアフリカから輸入されています。また、日本産業の中核を担う先端産業に不可欠な素材であるレアメタル（コバルト（91％）、マンガン（70％）、バナジウム（52％）、クロム鉱（43％）等）の多くをアフリカに依存しています（（）内は輸入に占めるアフリカの割合）。その他、蚊取り線香に使われる除虫菊も東アフリカから輸入しています。2004年に日本とアフリカは1兆7687億円に上る貿易を行っており、日本からアフリカへの直接投資は124億円にのぼります。

人の交流も次第に拡大しており、日本に暮らしているアフリカ人は1万人を超え（2004年末現在）、6千人以上の日本人がアフリカに暮らしています（2004年11月）。また、650人以上の青年海外協力隊員のほか、多くのNGOがアフリカで活動しています。

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