仏教の修行

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仏教の修行というのは何をするんでしょうね？？

仏教は2500年もの長い歴史を持っていて、その間にどんどん変化してきたので、修行の中身も宗派によってばらばらである。

その結果、何をやっても修行になるという。

分かったような分からないような、話になってくる。

しかし、それは変である。

毎日の掃除や洗濯が修行になるなら、家事に追われる家庭の主婦が真っ先に悟りを開くはずだし、つらい思いをじっと耐えるのが修行なら、会社で四六時中つらい思いを我慢しているサラリーマンは、皆聖者である。

何でもかんでも修行と結びつけるから、かえって修業の本質が見えなくなる。

本来の仏教では、[何でも修行になる]などとはいわない。

修行とは、お釈迦様自身の体験を元にかたちづくられた、特定の方法を用いるトレーニングだけを指す。

ではその、仏教本来の修行とはどういう性格のものか。

一言で言えば精神集中である。

瞑想ともいう。

座禅しているお坊さんの姿を思い浮かべればよい。

じっと座って精神を研ぎ澄まし、外界からの刺激に動じない堅固な状態に自己を保つのである。

しかし、ただそれで、自然に修行が進むというわけでもない。

瞑想に打ち込んだオウム真理教の信徒らが、恐ろしい殺人集団になったことを思えば、瞑想するだけで人の内面が向上するのではないということがよく分かる。

瞑想はあくまでも道具にすぎない。

その研ぎ澄ました精神状態を使って、何をするかというと、智慧（ちえ）の力を起こすのである。

自分の心の中の状態を正しく認識し、それを良い方向へと改良してゆく、そのための精神力を智慧という。

瞑想は、その智慧の力を生み出すための母胎なのである。

瞑想によって智慧を生み出し、それによって自己の心を改良してゆく。

これが仏教修行の基本である。

[花園大学教授・・・日々是（これ)修行より

 

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