私の細道創作

生きるものへの恵みの雨

地に染め込み草ぐさを濡らしゆく

春のほころびから冬芽が小さく芽ぐむ

 

土の匂い山の匂いひときわ鮮やかに

鶯の声は力強く艶やかに山際に響く

春は盛りを迎え花の香もかぐわしい

 

桜散る頃春は巣立ちの季節

悲しみに耐えるのはなんのため

誰でも人は愛を求めて闇にさまよう

 

希望のともし火胸に灯しながら

苦しい時は坂道で背中を押してもらい

山の中を田んぼを走りまわり

 

風の匂い裸足で踏む土の感触

原っぱに寝転んでいたあのころ

流れゆく雲を見ながら語った思い出

 

なんとも言えない自然の心地よさ

故郷の山川は何時も心を癒してくれる

つねに静かにつねにあたたかく

 

巣立ち

ヒナを育て終わり、用のなくなった巣が、ポッﾝと木の枝に捨てられている姿を見掛ける。

廃墟のような[古巣]は哀愁が漂う。

ほとんどの鳥は毎年新しい巣を営むという。

しかし燕は古巣を決して忘れず、毎年同じ場所にやって来る。

藁（わら）や泥などをくわえ、人家の軒先などに精巧な巣を作る。

ｶﾗｽは高い木の上に巣を作る。

枯れ枝や枯れ草、羽毛などを材料に使い、時には放牧中の馬の毛を抜きに来る事もあるという。

[巣作り]から[巣ごもり]、そして晩春の[巣立ち]へ。

春は古巣から離れて旅立ちをする時だ

 

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